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2016年3月4日金曜日

英国研修報告~グラスゴーで家庭医療を学ぶ

こんにちは。関義元です。

今回は、後期研修医桑名先生からの英国研修報告です。
もちろん勉強に行っているんですが、楽しんでいる様子も伝わってきます。

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 こんにちは、後期研修医の桑名です。家庭医療後期研修プログラム「かさま」の2年目です。1月18日から3月18日まで、茨城県グローバル人材育成プログラムとしてイギリスのグラスゴーで短期海外臨床研修(見学)をしています。研修内容についてご紹介します。

<研修スケジュール>
 イギリスはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドなどのstateで構成されており、社会制度にある程度の自治権があります。グラスゴーはスコットランドで、日本の東北〜北海道を彷彿とさせます。最初の2週間は、グラスゴー大学や、エジンバラにあるスコットランド議会を中心に、イギリス(スコットランド)の医療制度について学びました。その後はWishaw(グラスゴー郊外の町、人口3万人)、Skye島(Highlandというイギリスの北の果てにある大自然の僻地、人口1万人)、Dunoon(グラスゴーからわずか1時間半だが細長い入り江を渡るのにフェリーが必要な僻地、人口1万人くらい)、グラスゴー(人口 60万人)とスコットランドの各地でGeneral Practice(GP)クリニックの見学を行いました。

<イギリスの医療制度>
 イギリスは、national health service (NHS)と呼ばれる国民皆保険制度があり税金で運用されています。日本の医療制度との大きな違いは、国民全員がGeneral Practice (GP)と呼ばれる総合診療医に登録する必要があり、どんな医療サービスを受けるにも必ず登録したGPのクリニックを受診する必要があります。GPの診察結果により必要があれば病院の専門科に紹介されますがありふれた病気はたいてい紹介されることなくクリニックで完結するため、gate keeperの(適切な医療資源利用を誘導する)役割も持っています身体診察と病歴聴取を中心に診療を行うため、診療能力にも学ぶところが多いです。

<GP>
 GPはこの国の制度で特別な役割を持っており、それは、すべての情報(紹介した専門科での検査結果・診断・方針・処方薬や他院救急外来の受診などすべての医療情報、ソーシャルワーカーや保健師からの情報や家族の情報、(もしあれば)違法薬物使用やアルコール依存などの社会的な情報)がGPに報告されることに裏付けされています。登録制である事は、医療の継続性や一貫性、患者さんに対する包括的・全人的なケア、家庭医的なアプローチ、さらにはより正確な疫学研究に大きな利点と思われます。総合診療というと日本だと若干馴染みが薄く、ややもするとアイデンティティーの危機に陥りそうですが、イギリスでは国の制度として確立されているため、そのようなことはなさそうです。
WishawのLogan先生と
<チームワーク>
 多くの医師業務(例えば慢性疾患の定期外来や乳児定期健診など)が薬剤師や看護師(とナースプラクティショナー)に委譲されています。同様に、以前と比較するとより多くのsecondary care(例えばワーファリンのコントロールやDMARDsの調整)がGPに委譲され、効率化を図っています。効率化や医療コスト削減の取り組みは、日本より何十年も進んでいるのではないかと感じます。コミュニティーでのケアも進んでいて、訪問看護、在宅緩和ケア・看取り、がん専門訪問看護、精神科訪問看護、乳幼児・母親の訪問看護など充実しているように見えます。人口1000人あたりの病床数は、日本がイギリスの4倍以上(OECD Healthdata 2015)です。医療費削減のために不要な病床を減らし、必要な介護サービスを導入しようとするならば、参考になるシステムだと思いました。働く環境に関しても、長時間労働の予防や休日(とホリデー)の確保が重要視されており、女性だけでなくすべての人にとってより働きやすい環境と思われました。
ナースプラクティショナーや保健師さんや訪問看護師さんたち
<イギリス生活>
 天気に関しては悪名高い冬のスコットランドですが、来てみると全体に景色の綺麗なところで、フレンドリーな人が多く、大変過ごしやすいです。イギリスで学んだことは、日本での診療においてもすぐに役に立つと思います。引き続き、研修を続けます。
ハイランド・カウ
See you!

桑名梨里子

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中にいると見えないことが、外にいるとたくさん見える、ということがあります。桑名先生は、日本でも人一倍、前向きに頑張っていましたので、その分、今、英国から振り返って見えるものも多くあるでしょう。

日本に帰ってきたら、英国での経験を活かして、頑張って欲しいと思います。

私は、経験を活かせる環境を整えることを、頑張りたいと思います。 

以上、英国からの報告でした。

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