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2012年3月11日日曜日

救急クラブ~植草先生講演

関@県中です。

3月9日(金)、救急隊との恒例の勉強会である「救急クラブ」を開催しました。(おそらく)15年前くらいから始まった勉強会で、どちらかというと病院職員と消防職員の懇親が主な目的の集まりです。最近は、笠間市消防本部のみならず、水戸市、茨城町からも消防職員の方々に参加していただいています。今回も、院内外から多くの方々に参加して頂きました。


演題は以下のようなものでした。発表して頂いた皆様、貴重なお話をありがとうございました。

1.一般町民によりAEDを使用した事例及び茨城町・水戸医療センターとのDC共同事業報告について
茨城町消防本部 救急救命士 長洲智宏

ドクターヘリとの連携事案について報告して頂きました。難治性VFの症例でしたが、ドクターヘリの有用性についていろいろと考えさせられる事案でした。また、水戸医療センターとのドクターカー共同事業についての報告がありました。素晴らしい内容でした。頑張ってますね!



2.吐血後心肺停止になった一搬送例
笠間市消防本部 救急救命士 大和田央

このあとの3.の症例の病院前救護についての報告です。PA同時出動、器具を用いた的確な気道確保、連続的呼気CO2モニタリング(笠間市消防本部は全救急隊に装備しています)による質の高いCPRの確認など、一貫して質の高い現場活動が行われたことが伺われました。病院職員からは、「PA連携って?」「血液の量はどのくらいでしたか?」など、様々な質問が出ました。こういった交流を通じて、病院と消防が相互に理解し合うことが、救急医療の質を高め、結果的に地域の皆さんが質の高い医療を受けることにつながるのだと感じます。

ちなみに、PA同時出動(PA連携)ですが、ポンプ車(Pumper)と救急車(Ambulance)が同時に出動することを指し、高度化した病院前救護の質を保つためには、必須のものです。しかしながら、これは、消防署の方々のご理解とご協力が必要で、県内でもすべての消防署で行われているわけではありません。いつも、地域のために協力して下さる消防本部の方々には、心から感謝しています。

なお、笠間市内で発生した重傷事案、心肺停止事案については、直接対面式事後検証といって、医師(笠間市は私)と出動した救急隊、通信指令課職員(119番を受けている方ですね)が、全例について、「互いの顔を見ながら」事後検証を行なっています。年間100件を超える件数がありますので、なかなか大変ですが、消防署の方々のご協力もあって、3年続いています。こういったことも、当科の大事な仕事の一つです。現在、美和診療所に派遣中の関根先生は、大子町、常陸太田の事後検証を担当してくれています。

3.吐血後心肺停止となり、Ai・病理解剖を施行した一例
茨城県立中央病院 臨床研修医 大木大輔

上記の症例の病院収容後の経過です。残念ながら救命することはできませんでしたが、救急外来で的確な蘇生処置がなされており、その経過を救急隊とともに振り返りました。(東大からの2年目研修医、大木先生のプレゼンテーションは素晴らしかったです。)

ご家族のご希望もあり、Ai(Autopsy imaging;お亡くなりになった後にCTを撮影し原因を調べます)、病理解剖を行いました。救急通報前~現場活動~院内での蘇生についての振り返りがなされました。院外で心停止され当院へ搬送される患者さんは、年間100名以上の方がいらっしゃいますが、残念ながら、救命できないことのほうが多いのが現実です。しかしながら、今回のように、その後きちんと振り返りをすることは、「次」の患者さんを救えるようにするために必要なことです。今回も多くの貴重なことを皆で学びました。謹んで患者さんのご冥福をお祈りいたします。


特別講演
「太陽が西から昇るとき」
茨城県立中央病院 副院長 総合診療科 植草義史

今回は諸般の事情から、当科科長の植草先生に特別講演をして頂きました。実際、講演の内容を書こうとしてみると、過激すぎて書けないものばかり、、、でしたが、それでも書いてみたいと思います。

20年前に植草先生が赴任された時、当院は救急に関してあまり積極的ではなく、救急車も年間650台程度の受入で、消防署との関係も現在より希薄なものでした。

そのような状況で、救急患者を受け入れようと声を上げることは、多くの困難があったわけですが、「救急患者をみないようじゃ病院として問題である」という信念のもと、先生が地道に取り組まれてきたことを数々のエピソードを交えて話されました。特に内科が中心となって救急に取り組んできたのは当院の特徴ですが、それも植草先生が作られてきたことだと思います。

また、消防との顔を見える関係が大事である、ということでこの「救急クラブ」を立ち上げられました。未だに、「懇親会中心」の勉強会ですが、非常に大事な場となっていて、今後も継続されていくと思います。

今年度は、救急車の受入台数も年間4300台程度の受入となる見込み(昨年より200台増)で、年々、受入件数は増加傾向にあり、また、重症度も増しています。しかしながら、ここに至るまでには植草先生を始めとした、多くの方のご尽力があったのだ、ということを改めて感じました。


ちなみに、タイトルの意味は、最後まで語られることはありませんでした。(^_^;)


終了後は、恒例の懇親会。写真はありませんが、医師、研修医、看護師、救急救命士を含む消防職員の方々と、いつもより更に(?)濃厚に親睦を深め、お開きとなりました。


今回は、救急一色の記事となりましたが、当院は、内科の一部門である総合診療科が、特に救急車で搬送された患者さんの診療に、中心的に関わっています。きれいごとばかりではありませんが、病院全体で患者さんを診ること、決して、専門医が病院内で開業しているかのような分断された診療にならないように、診療上の”潤滑油役”を買って出たいと思っています。

そのためには、各科の先生方と議論できる全科的なバックグラウンドが必要になります。先は見えませんが、「万年研修医」の姿勢で、今後も学び続けていきたいと思います。

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